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式辞・法話

見真の日 9月の法話

「妥協」 の意味を考えてみる

文化祭の本番が近づくにつれて、準備に関わる人が着実に増えてきましたね。
今年度の 『青春革命!同朋やっちゃいな祭』 という文化祭テーマに呼応するように、「やってみよう!」 という気持ちや「手伝いたい」 という思いやりが広がり、クラス全体が一つになろうとしているのを感じます。とても素敵なことですね。

ただ、人が増えれば意見の違いも生まれます。
これまで中心になって準備してきた人の強い思い。
新しく加わった人の新鮮なアイデア。
どちらも大切で、どちらも正しい。

でも、その違いがぶつかり合い、話し合いが難しくなることもあります。
そんなときに大事なのが「妥協」 です。

「妥協」 というと、「忖度」 と同じように現在ではマイナスのイメージが強い言葉ですが、本来の意味は違います。
「妥」 は“おだやか”と読み、「落ちついている」 という意味があります。
「協」 は“かなう”や“あわせる”と読み、「多くのものが一つに合わさる」 「力を一つに合わせる」 という意味があります。
つまり「妥協」 とは、「互いの思いを尊重しながら歩み寄り、より良い答えを見つけるための行動をとること」 なのです

完璧な答えはなくても大丈夫。
大切なのは「自分の考えだけが正しい」 と思わず、相手の声に耳を傾けること。
その積み重ねこそが、より良いものを作り上げる力になります。

困難を乗り越えた先には、きっと絆が深まり、文化祭はさらに輝きます。
だから、不安やもどかしさを感じてもあきらめないでください。
自分の思いを大切にしつつ、仲間の思いも受け止め、一緒に前へ進みましょう。

文化祭の宝物は、結果だけではありません。
みんなで考え、工夫し、協力した“過程” そのものが、かけがえのない宝物になります。

さあ、最高の文化祭を、みんなの力でつくりましょう。

教員 T

本校は弘長2年(1262年)11月28日に入滅された宗祖親鸞聖人のご命日を縁として、毎月28日付近の1日を 「見真の日」 とし、有志生徒による勤行と学校長や教職員による法話・感話をおこなっています。
「見真」とは、大無量寿経に説かれる 「五眼讃」 の一句 「慧眼見真 能度彼岸(慧眼は真を見てよく彼岸に度す)」 を出典とし、真宗本廟(東本願寺)の御影堂正面に 「見真」の額が掲げられていること、また親鸞聖人の大師号 「見真大師」 に由来します。