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式辞・法話

見真の日 1月の感話

『もう、不満は言わない』

今日は私の人生を変えた本について話をしたいと思います。それはウィル・ボウエン作『もう、不満は言わない』 という本です。
この本の内容は、「人生を変える秘密として、紫のシリコンブレスレットを手にはめて、21日間、不平不満、人を責める言葉、噂話などを口にしないように努めるという内容です。
まずどちらかの腕にブレスレットをはめます。自分が、不平不満や人の悪口を口にしているのに気づいたら、ブレスレットをもう一方の腕にはめ換えて、再スタートする。それをずっと続ける。
21日間というのは人間が新しい行動を習慣にするのに21日間かかるということからです。21日間連続で不平不満を言わないで過ごせるかチャレンジする」ということです。

私は紫のシリコンブレスレットの代わりにヘアゴムを腕に始めました。当然のことながら1日の中で何度も右腕から左腕、左腕から右腕へと移動させることになりました。

このチャレンジには次の段階があるとされています。
第一段階は自分が不平を口にしているのに気づかない段階
第二段階は自分が不平を口にしているのに気づく段階

この頃には、例えば「1日疲れたな」 と口にすると、ヘアゴムを移動させながら、「疲れるまで私が何かやれることがあるのだな」 と思えたり、「今日は食事作るの面倒だな」 と口にすると「食材が家にある」「自分で買うお金がある」「またお店に行けばたくさんの食材が必ず置いてある」「よく考えればそもそも当たり前のことではないよな」 とだんだんと『ある』 に気づくようになっていきました。

この本の中には「口にする不平不満が減れば、心の中で生まれる不平不満は自然に減っていきます」 とあります。
私は今まで両親にはとても感謝していました。特に何か困ることなく育ててくれたこと。私が進みたかった進路を選ばせてくれたこと、大切に育ててくれたことなど、本当に感謝しているつもりでした。
しかし、この心の中の声が聴けるようになると、「父親がこうだから私はこうなったんだ」「母親がこうだから私はこうなったんだ」「この時は本当はこうしてほしかったんだ」 と私の心の中の不平不満に気づき、とても衝撃を受けました。
私は何を求めているのだろう… とショックでもありました。
そこから少しずつ口にする言葉や、自分の心の中、誰かがしてくれる小さなこともよく気をつけて、感謝の気持ちをもつように心掛けました。

この実践は「動かす」という行動が大事なのです。動かすことで脳に自分の行動を意識させることになるのです。
簡単にできることなので、みなさんも是非実践してみてほしいです。気づきは大きいと思います。

この本の内容はまだまだ深いものであるのだと思います。この本を15年程前に購入し、今でも手放さずに持っています。そしてこれからも私のそばに居続けることになると思います。

教員 O

本校は弘長2年(1262年)11月28日に入滅された宗祖親鸞聖人のご命日を縁として、毎月28日付近の1日を 「見真の日」 とし、有志生徒による勤行と学校長や教職員による法話・感話をおこなっています。
「見真」とは、大無量寿経に説かれる 「五眼讃」 の一句 「慧眼見真 能度彼岸(慧眼は真を見てよく彼岸に度す)」 を出典とし、真宗本廟(東本願寺)の御影堂正面に 「見真」の額が掲げられていること、また親鸞聖人の大師号 「見真大師」 に由来します。