| 式辞
寒い日は続きますが、立春を過ぎてから、春の気配が感じられるようになりました。
中庭の河津桜も開いてきました。これから、咲き誇っていくでしょう。
あちらこちらで、いのちの息吹が見られるこの佳き日、PTA役員のみなさま、宗門関係・学園関係のみなさまと、多くのご来賓のご臨席のもと、卒業式を挙行できますことは、この上ない喜びです。
保護者のみなさまも、これまで大切に育ててこられたお子様の成長した姿に、感慨もひとしおであろうと思います。
この日まで、長きにわたって、お子様を支え励ましてこられたことに、深く敬意を表しますとともに謹んでお慶び申し上げます。
また3年間にわたり、本校の教育活動のために、温かいご支援と多大なるご協力を賜りましたことを、教職員を代表して厚くお礼申し上げます。
今、卒業証書を受け取った433名のみなさん。卒業おめでとうございます。
これまでのみなさんの努力と研鑽を、心から讃えたいと思います。
本日のこの喜びは、もちろん皆さんのたゆまぬ努力の結果でありますが、これまで皆さんを慈しみ、育ててこられたご家族をはじめ、多くの方々の愛情とご支援のおかげでもあります。
この人生の節目に当たり、お世話なった方々へ素直に感謝の気持ちを伝えてください。
2023年度の初め、新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、自粛期間が終了しました。
みなさんが、この同朋高校に入学したのは、そんな年でした。
さまざまなことを、取り戻していこうとする時期、みなさんは同朋高校で、3年間を過ごしました。
体育大会や文化祭などの学校行事でも、また学年の行事でも、何か新しいことをやってみようという、情熱にあふれた学年でした。
名古屋平成中村座が同朋高校に来た1年生の時も、みなさんの多くが運営に関わってくれました。
今年の1月のお昼の放送「朋ラジ」も、素敵な企画でした。
そんなみなさんの、今年度の体育大会での輝く姿を、この目で見ることができなかったことが、私にとってはとても残念です。
この3年間で、みなさんは間違いなく成長し、大切なものを学び取ってきました。
それは「みんなの中で、ともに成長する」ということだと思います。
学業でも、クラブ活動でも、クラスの活動でも、学校行事でも、いつも周りに仲間の顔がありました。
「同朋高校」 改めて素敵な名前の学校だと思います。
「同朋」とは、志を同じくして、ともに励む仲間です。
日々の生活の中で、ともに生きる意味を求め、ともに向上しようと歩んできた仲間です。
みなさんは「仲間」を名前に冠する学校で、お互いの違いを認め合い、「ともなるいのちを生きる」ことを、同朋高校での生活を通して学んできました。
お互いの違いを認めるということは、あなたもあなたの周りの人も、みなさん一人ひとりが、誰とも比べることのできない尊い存在であるということを認めることです。
人間の、そしていのちの尊さは、能力、学歴、地位、健康など、何らかの条件によって尊いのではなく、あなたはあなたしかいないから、あなたは誰とも代わることはできないから、あなたはあなたとして尊いのです。
他の人と比べて、自分を情けなく思ったり、あるいは人のことを見下したりすることなく、周りに感謝しながら生きていってほしいと思います。
私たちの目の前には、絶えず変わり続ける予測不能な未来が待っています。
世界情勢は不安定を極めています。少子高齢化が進行し、地球温暖化や自然災害も歯止めが効きません。
そんな世界をどう生きていくかを考えるとき、同朋での日々が生きてきます。
人生は、順調な日ばかりではありません。思いどおりにならないことも、少なくないと思います。悩んだり迷ったりするかもしれません。
その時は、それぞれの場所で頑張って生きているみなさんの「同朋」のことを思い起こしてください。
我々教職員も、みなさんの「同朋」でありたいと思って過ごしてきました。
みなさんには、困難に打ち克ち、厳しい現実を変革していく、エネルギーと可能性があります。
これからの、新しい、未知の時代を生きていくみなさんに、アメリカの公民権運動牽引したキング牧師の言葉を送ります。
意味を考えてみてください。
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You don’t need to see the whole staircase, just take the first step.
長い階段をのぼるとき、そのすべてが見えなくてもいいのです。大事なのは目の前にある一段をのぼることです。
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先が見えないとき、人は躊躇します。しかし、一歩目を踏み出せば、次の一歩が自然と見えてくることもよくあります。
今やるべきこと、やれることを一生懸命に取り組んでいけば、ある日突然雲が晴れて、ゴールが見えてくるかもしれません。一歩一歩進んでいきましょう。
みなさんが、人生の新しいステージで、それぞれ活躍することを心から念じ、式辞といたします。
同朋高等学校長 滝 敏行
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