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式辞・法話

入学式 学校長式辞

やわらかな春の雨が包む今日の良き日に、多数のご来賓の皆様ならびに保護者の皆様のご臨席を賜り、本校の入学式を挙行できますことは誠に大きな喜びです。
心より感謝申し上げます。これまでずっと温かく見守り、支えてこられた保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。
立派に成長されたお子様の姿に感激もひとしおかと存じます。
本校は保護者の皆様と共に教育をつくっていく学校です。これから何かとご協力をお願いすることが多くなるかと思いますが、どうぞよろしくお願いを致します。

先ほど入学認定しました409名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
おそらく皆さんの胸の中は、入学の喜びとこれから始まる学校生活への不安が入り混じった状態だろうと思います。
先は長いですから、あせらずじっくり自分の将来を見つめながら、夢や希望に向かって一歩一歩着実に歩んで行ってもらえれば大丈夫です。
我々教職員も皆さん一人ひとりに寄り添い、しっかり支えていきますので、どうぞ安心してください。

さて、本日みなさんが正門をくぐったすぐ左側に、親鸞聖人の銅像を目にしたと思います。
本校は、親鸞聖人の教えを建学の精神に持つ、真宗大谷派の関係学校であり、まもなく創立70周年を迎える伝統ある学校です。
私たちは、一人ひとりの違いを認め合い、個性を伸ばすことを目標にしておりますが、それに関わりまして、みなさんに期待したいことがあります。

人間、誰一人として同じ人はいません。
にぎやかな人もいれば、静かな人もいる。スポーツが好きな人もいれば、文化活動が好きな人もいる。
さらに、好きな芸能人も、好きな作家も、好きな色も、好きな食べ物も一人ひとり違います。
この違いを認め合うことはさほど難しいことではありませんが、これが生き方や考え方の違いともなると、とたんに違いを認め合うことが難しくなります。

しかし、一人ひとりが違うからこそ、人間は環境の変化にうまく対応し、成熟した社会を築いてこられたのだと思います。
これから3年間、さまざまな出会いがあると思いますが、自分とは違う異質な人たちを認めること、そして、異質な人たちともあえて交わってほしいと思います。
そのことは必ずあなた自身の人間としての幅を広げることにつながるはずですし、わけ隔てなく誰に対しても救いの手をさしのべられた親鸞聖人の教えに合致することでもあります。

残念ながら、「違いを認め合う」ということは口で言うほど簡単ではありません。
現実の社会では、世界規模での戦争やテロ行為が発生し、異質なものを暴力で排除する流れは断ち切れていません。
しかし、みなさんには、まずは身近な所からお互いの生き方や考え方をも認め合える関係を築いていってほしい。それが1つめの期待です。

もう1つ期待したいことがあります。
それは学校生活のあらゆる場で「考える」ことを貫いてほしいということです。
授業や学習プログラムの中で「考える」ことはもちろんですが、学校行事や生徒会活動、部活動などの自主活動の場においても「考える」、もっと言えば、将来自分がどんな人生を送りたいのか、この高校生活をどんな目標を持って過ごすのかを「考える」こともそうです。

オックスフォード大学の調べでは、「現在人間が行っている47%の仕事が、20年以内に機械によって代行される」といわれています。
また、Googleの創業者、ラリー・ペイジさんは、「コンピュータが数多くの仕事をするようになる。これは私たちが仕事をするという考えを大きく変えることになるだろう」と言っています。

つまり、これから世の中がどうなっていくのかは私たちの予想をはるかに超えている、未知なる課題がいくつも待ち受けているということです。
今や私たちは、身近な相談相手にすらAIの技術を活用する、そんな時代を迎えています。こうした時代には、知識や技能をただ身につけるだけでは対応できません。
知識や技能を活用していく力、課題を見つけ出して解決する力、解決の道を周りと協力し探っていく力が求められます。
こうした力には、「考える」という習慣が欠かせません。
幸い、同朋高校には多様な学ぶ環境が用意されています。それを生かすかどうかはあなた方次第です。
あらゆる場で「考える」こと。ここに期待したいと思います。

最後に、先ほど少し紹介しましたように、本校は鎌倉時代の仏教者、親鸞聖人を宗祖とする真宗(浄土真宗)の関係学校です。
親鸞聖人のもとには多くの弟子が集まりましたが、聖人は門弟たちを「弟子」ではなく「同朋(どうぼう)」と表現をされました。
これは「共に歩む仲間」という意味です。
仏様の前では、先生も弟子もない。みな等しく、悩みをかかえ、迷って生きている存在である。そういう真宗の人間観をあらわすことばが「どうほう」「どうぼう」です。
そんな同朋の精神をいただき、本校は、同朋学園・同朋高等学校という名前になっています。

同朋高校で始まる豊かな学びと豊かな人間関係の中で、みなさんが大きく成長し、光り輝くことを願ってやみません。
私も皆さんも、同朋です。
これからの3年間、「初心」を忘れず、全員が本校で充実した日々を過ごされ、人として確かな成長を遂げられますことを願って本日の式辞とします。

同朋高等学校長  小堀 能任