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式辞・法話

始業式 式辞

式辞

昨日、入学式で新入生の皆さんには、同朋和敬の精神と、「自分で見て、自分で考えて、自分で決めて、自分で行動する」という2つの話をしました。
このことは、度々振り返ることになると思いますのでぜひ記憶の片隅に置いていただければと思います。

今日は、これからの1年を過ごしていくにあたり、大切にしてほしいことを1つだけお伝えしたいと思います。
よく、1年生は「耕す1年になる」 、2年生は「飛躍の1年になる」 、そして3年生は「実りの1年になる」 と言われます。

まずは、1年生。同朋高校での生活はまだ始まったばかりで分からないことだらけの状況かと思います。
2,3年生の先輩は、3学期に自主活動日と言って、それぞれ半日を使った学年行事を行いました。これまで、同朋高校の自主活動日といえば、球技大会や運動会といったことが多かったのですが、今回は2年生も3年生も謎解きゲームをするといった取り組みをうっていました。iPadを駆使したり、体育館だけにとどまらず、校舎全体を使ったりして、学年全員が学校中を練り歩いている姿を見て、自主活動日の新たな1ページを感じる思いでした。
そういった行事を創っているのが、各クラスの委員長・副委員長を中心に組織されるクラス連合(クラ連)というものです。クラ連のメンバーの中には、もちろん中学校時代に学級委員や部活で部長を務めていた生徒もいますが、そのほとんどが、高校で初めてクラス委員長や副委員長に手をあげた生徒ばかりです。同朋高校での1年間で耕され、年度末には400人を超える生徒を半日楽しませるような、巨大なイベントを創るほど成長しているということです。これからのHRの中で、クラス委員長、副委員長を含めたクラス役員を決めると思います。積極的に手を挙げた人こそ、この1年間を充実したものにできるはずです。勇気を出し、その一歩を踏み出してほしいなと思います。

2年生にとっては、ここからの1年の間にあらゆることが先輩から受け継がれていきます。部活動での世代交代が最もイメージしやすいと思いますが、授業でも進路でも、いよいよ本格的に3年生に向けての準備が始まります。
3月末には、生徒会主催のリーダーキャンプがあり、卒業生から話を聞く機会がありました。体育大会でも文化祭でも卒業式でも、3年生の背中を見て皆さんは次年度に向けて準備していくことになります。
すでに1年間を同朋高校で過ごしたからこそわかる、2年目なりの動きを見せて、同朋の文化を受け取っていってほしいと思います。2年生はそういった意味で中心学年であり、皆さんの飛躍が学校全体のエネルギーとなっていくはずです。その為にも、先輩の動きをしっかり見て、「自分がリーダーだったら」を常に考えていくと、皆さんの中に一歩引いて見直す視点が身についていくと思います。皆さんが立ち止まって考えたうえで出す一歩が次の時代の同朋を創ると信じています。

最後に3年生ですが、3年生にとっての実り。まさに結果のことを指しますが、良い結果を得るとは何を指すのでしょうか。
私自身、担任として行事などに取り組む際に、クラスで良く言う言葉があります。

「自分が楽しい」 をどれだけ追い求めても、「全員が楽しい」 にはならない。
あなたの楽しいによって犠牲になる人がきっといるから。
でも、「周りみんなが楽しんでいる」 を全員で真剣に追い求めたら、
きっと「みんなが楽しい」 になっている。

私も含めて、すべての人間は、不完全です。不完全であるからこそ、自分だけを満たそうとするのではなく、そこに他者の視点を入れ込むことがとても大切です。
学期が進んでいくと、進路実現をしていく時期を迎えます。面接練習を一緒にやると、普段とは違ったクラスメイトの思いやこだわりに触れることができて、一層お互いへの理解が進みます。自分の進路が決まった後も、クラス全員の進路が決まっていく2月3月まで、仲間を応援できるクラスでいられるかどうか。それはまさにみなさんの「他者性」 が試されることでしょう。そうしてみなさんが他者の視点を育てられたとしたら、きっとみなさんは高校最後の1日を充実した実りの時として迎えられていることと思います。ぜひ、よい1年にしてください。

3学年合わせて1312人の同朋生が、それぞれの目標を定め、人生を豊かにしていってくれることを期待し、1学期始業式の式辞といたします。