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卒業式 学校長式辞
学校長式辞 早春を告げるスイセンの花が咲く、中庭の奥にある河津桜が、先日の日曜日に最初の一輪を咲かせました。1月から、この卒業式までに花開くと思って、毎日見上げてきました。なんとか間に合いました。これからどんどん咲いていくでしょう。 桜の花は、ただ温かくなったら咲くわけではありません。一度厳しい寒さに晒されると、眠っていた花芽が目を覚まし、開花に向かうのだそうです。人も同じで、困難や大変なことが、みなさんの可能性を引き出し、成長につながるのだと、つい教訓的なことを考えてしまうのは、教員の悪い癖かもしれません。 今朝は小雪が舞っていましたが、それでもあちこちから新たな生命の息吹が感じるこの佳き日に、多くのご来賓みなさまのご臨席を賜り、卒業式を挙行できますことは、この上ない喜びです。 たったいま卒業証書を受け取った卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。みなさんの門出を心から祝福します。 みなさんの3年間はどうだったでしょうか。コロナで多くの制約を受けていた学校が、再びいろいろなことを取り戻していこうとしている中での学校生活でした。 さて、突然ですが、これはどのような場面でしょうか。少し考えてみてください。
どんな場面か分かりますか。 この「1人が泣いて周りが笑って」には、実は元ネタがあります。ネイティブアメリカンのチェロキー族の人々の教えです。このようなものです。
周りの人々を幸せにすることが、自分の幸せとなるということを伝えています。そのような生き方は、どうすればできるでしょうか。 世界は今、一段と分断の道を進んでいます。自分とは違う考えは攻撃し、排除する風潮があふれています。みなさんの入学前に始まったロシアのウクライナ侵攻はいまだに続き、パレスチナのガザ地区では、人々の生活再建も見通しが立ちません。 今日のこの卒業式は、みなさん一人ひとりが、それぞれの人生を歩むための大事なスタートとなります。未来は常に不確実です。それでもみなさんには、未来を切り開いていくエネルギーと可能性があります。目標を持ち、何事にも挑戦してください。挑戦には困難が伴うでしょう。最初の桜の話に繋がりますが、困難も大事なことに出会う大切な縁となります。第二次世界大戦時に、イギリスの首相だったウィンストン・チャーチルはこう言っています。
出会う困難を、花芽を目覚めさせる寒さにして、また凧を舞い上がらせる風にして、それぞれの世界で、一歩一歩 歩んでいってください。何年かのちに、また一段と成長した姿で学校に顔を見せに来てください。再会を楽しみにしています。 令和7年2月22日 |
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